宴…その後
宴…その後
博雅が苦しそうな声を上げている…。
宴が終わって皆が引き上げた後の、博雅の邸の濡れ縁。
そろそろ夜も明けようかという薄闇の中、博雅は晴明にその身を貫かれていた。
その身には薄いカッターシャツが一枚のみ、後はすべて晴明の手によって剥ぎ取られてしまっていた。周りには脱ぎ捨てられた服が散らばっている。
博雅はもう何度いかされたかもう、覚えていない。
何度目かに晴明にもうこれ以上はと、許しを乞うたのだが怒りに自制を失っている晴明には、聞き入れてなどもらえなかった。
そう、晴明は怒っていた。
目の前で自分の恋人が口付けられたのだ。した相手にも腹が立ったが、能天気で隙だらけの恋人にも猛烈に腹が立った。
いつもいつもだ。
もう少し相手の思惑に気づけないものかと思う。こんなことのあるたびに、いつだって自分が一番つらい思いをする。そこのところをこの男はちっとも分かっていない。
自分のひざの上でその身を震わせながらのけぞっているその喉笛に、噛み付くように口付ける。
博雅のものが何度もいかされて自分の漏らした精で光って力なくゆれている。
博雅の秘められたそこを己のもので突きながら、博雅のそれに手をはわす。
「ああっ!!だめ…だ。せいめえ…。もう…もう…あああ。」
敏感になったものをさらになぶられて、博雅が泣きながら許しを乞うが、晴明は一言も口をきかない。
晴明の紅い唇が博雅の指を捕らえる。博雅の長い指の一本一本に舌を這わせてゆく。
博雅のものを愛撫するときと同じように、指を口に含んで舌を絡める。まるで、自分のそれを愛撫されたかのように博雅には感じられた。
かりりと指に歯を立てられて、博雅はさらに声をあげた。晴明を受け入れている蕾がきりりと締まる。
晴明は自分のものが博雅の熟れた熱に閉じ込められるのを…まるですべてを搾り出そうとするかのような博雅の想いを感じた。
「うっ…」
晴明から思わず声が漏れる。
一言だって口きいてなどやるものかと、決意も硬かったのに博雅にかかってはさすがの晴明も勝てない。
(まったく。おまえというヤツは…。)
高まってゆく快感とは逆に、なんだか怒りが波のように引いてゆく。
この男に悪気などないのだ。ただ、まるで蜜のように周りのものを惹きつけてしまうだけ。
「せい…めい…、まだ、怒って…いるのか…?」
貫かれ、上気して汗ばんだ顔にうるうると瞳を潤ませながら博雅が聞く。
その手はまるで命綱のように晴明の首に回されている。絶対、離すものかというように。
「もう、怒ってなどおらぬ。今はただ、お前の乱れる姿だけが見たい…。俺の手の中でどこまで乱されるのか…。お前が俺に狂う、その姿を見せてくれ。」
晴明のものが博雅のさらに奥をねじこむように突き上げる。
「あああっ!!…」
晴明のものが博雅の中でその熱い情熱の精を放った。
すさまじい勢いで押し寄せてくる気の遠くなるような快感に耐え切れず、博雅は意識を失っていった。
意識をなくした博雅の体を抱きしめながら、身勝手なのはわかっているが、もっとお前のすべてがほしいと思う晴明だった。
ちょいやば