水しぶき (2)
「ちくしょうっ!逃げられた…」
目の前で鏡に吸い込まれて消えた博雅、その手を掴み損ねた咲也が悔しげに唸った。
「ここから、どこに飛んだかすぐに調べろ!もう自分の屋敷についてしまっているとも限らない。さあ、とっととしろっ!」
後ろにおどおどと控える配下のものにイラついた声を上げると、目の前の古ぼけた鏡をぎりっとにらみつけた。
「このくそ老いぼれ鏡め、余計なことを…」
「おいぼれ…おいぼれ…」
オウムのように言われた言葉を繰り返す年降った鏡。
「本当にぼけまくった奴だな。まったくこんなものがここにあったなんて…ああ、僕ってついてないよなあ…」
やさしげにそういって鏡に近づいた…次の瞬間。
「ムカつくんだよっっ!!」
そう大声を出して怒鳴ると足を上げて力いっぱい鏡をけり倒した。
ガシャーンッ!!
派手な音を立てて鏡が倒れて大きなかけらに割れて飛び散った。
周りにいた者たちがビクッと一様に肩をすくめた。
くるっと振り向いて部屋を出ようとする咲也に一人が恐る恐る声をかけた。
「さ、咲也さま…あの…この割れたのどういたしましょうか…?」
「ほっておけ。そいつにはもう用などないし、こんな部屋二度と入る気もしないからね。」
「は、はい…」
振り向きもせずそう答える咲也の後をその場に残った者たちも付き従って部屋を出て行った。
パタン…。
扉が閉じられ、咲也たちの声がどんどんと遠ざかっていった。
やがて、夜もふけ、しんと静まり返ったその真っ暗な中でちかっと小さな光が点った。
小さな光は割れた鏡の一枚のかけらから出ているようだった。その光がスイッと天井に向かって一筋の光の帯となる。
そしてその光の帯の中に一人の人影が立った。
光の中で振り向いたその顔は確かここから逃げたはずの博雅、その人だった。
「咲也さま!博雅様を見つけました!」
鼠のような顔をした妖しが大声で告げながら咲也のいる部屋へと飛び込んできた。
「まだこの屋敷の中にいたのか?」
がばっとソファから立ち上がる咲也。
「はい。あの部屋の近くで見つけました!」
手柄を立てられたことがよほどうれしいのか、その下っ端の妖しは嬉々として報告を始めた。
「やはりあの鏡のつくもはぼけていたのでしょう。あの部屋からそう離れていない廊下の隅で気を失っているところを見つけましたよ。きっと、鏡に取り込まれたときに恐怖のあまり気を失ったのでしょう。なにしろただの人間ですからねえ。」
そういって、馬鹿にしたようにひっひっひっと下卑た声で笑った。
たちまち咲也の顔が不機嫌に変わった。
「博雅さんは無事なんだろうな?」
「はい、それはもちろんでございますよ!」
咲也の顔つきが変わったのにも気づかずそいつが答える。
「今、力のあるやつにこちらまで運ばております。ひひひ、これからお楽しみでございますねえ。若様。」
いやらしい笑いを浮かべて咲也を見た。
咲也の目が冷たくなる。
「僕のところにお前みたいなのはいらないなあ。なあ、河鹿?」
そばに控える魚の目をした例の少女に、にっこりと笑って言った。
「そうでございますね。咲也さま。」
河鹿がしとやかに頭を下げる。
そういってそいつに近づくとその頭をがっと掴んだ。
「ひっ!!」
「博雅さんの名前をおまえが口にするだけでもなんかやだ。やっちゃってよ、河鹿。」
「はい、咲也さま」
「わ、若っ…!!ひぎゃっ!!!」
河鹿の指の間からそれの目玉がつぶれて飛び散った。頭を粉々につぶされてその体ががくりとその場にくずれおち、ヒクヒクと引きつった。
「すっきりしたな。これ片付けといて、河鹿。それから博雅さんは僕の寝室へ連れてきておくれ。」
そういうと咲也は自分の寝室へと向かっていった。
コンコンとノックの音。
「咲也さま。つれてまいりました。」
体格のいい妖しに担がれて気を失った博雅が部屋の中に運ばれてきた。
「まだ、気を失ったままなのか?」
「はあ、見つけてすぐにでも気がつくかと思ったのですが…」
「まあ、いいよ、そっちの方が何かと好都合だ、また逃げられても困るからね。」
そういうと咲也は広い天蓋つきのベッドの上に慎重に博雅を降ろすように配下に指示を出した。
「そうっと降ろしてよ。大事なお客様だからね。」
「では、失礼いたします。」
一礼して博雅を運んできた妖しが部屋のドアを閉めて出て行った。
「やっとふたりっきりになれたね、博雅さん…」
ベッドの上で無防備に目を閉じた博雅の頬に、咲也はそうっと手のひらを滑らせた。
「あなたの目を覚まさせるのは、これからはいつだって僕だけだからね。」
そういってふっくらとしたその唇に己の唇を重ねようと顔を下げていった。
と、博雅の目が急にぱちりと開いた。
「あ…」
うれしそうに咲也が声を上げる。…が。
ジロッ…。
いつもの彼にはありえない剣呑な目つきで、博雅は咲也を見上げた。
「ひ、博雅…さん?」
思わず顔を引き上げて咲也は戸惑った。
その咲也を見上げて、博雅はにやっと唇の端を引き上げて笑った。まったくいつもの博雅にはない笑い方、博雅はいつだって優しげに笑うのだ、決してこのような笑い方はしないはず。
「だ、誰だ、おまえ!?」
博雅から、ばっ!と離れる咲也。
「よう、久方ぶりだな…」
ゆっくりとベッドから身を起こす博雅。少し乱れた前髪を優雅なしぐさでかきあげた。
「ま、まさか…」
見た目は明らかに博雅なのだが、その流れるような身のこなしには確かに見覚えがあった。
…天敵来襲である。
「せ、晴明かっ!?」
ベッドの上からズザッと飛び退って咲也が声を上げた。
ゆらりと立ち上がる博雅、少し顎を上げ気味にして顔をかしげる。
「大当たり…。ねずみのたぐいの癖になかなかするどいじゃないか?ああ、違うか…、ねずみだから鼻がいいのか。クククッ…。」
いつもは気立てのよさが前面にでて柔らかな雰囲気の博雅が、今は氷もかくやとばかりの凍りつくような冷たいオーラを放っていた。品のよい貴族的な顔立ちが冷たさを際立たせる。
「博雅さんといつ入れ替わったんだ!」
前回つかまって危うく生物部に引き渡されるところだったことを思い出したのか、心なしか咲也の顔色が青ざめて見える。
「さあ、いつだろうねえ?…そんなこと、わざわざ私がお前に説明なんかするとでも思うかい?」
博雅の姿でゆっくりと咲也に向かって足を踏み出す。
「ひ、卑怯だぞっ!博雅さんに化けて僕の屋敷にもぐりこむなんて…!」
「卑怯?…君にだけは言われたくないものだな、その言葉はね。」
そういうと顔の前に手のひらをかざし呪を唱えた。
「現正真姿…」
かざした手をゆっくりと下ろす。その手の後ろから博雅とは違う別の顔が現れる。美しい弧を描く柳眉の下に少し色素の薄い切れ長の瞳。すっと伸びた鼻筋の下に血のように紅い薄い唇。冷たい光を放つ瞳の持ち主は正真正銘、陰陽師安倍晴明、そのひとであった。
「やっぱり…晴明…」
ぎりっとかみ締めた歯の間から搾り出すような声で咲也は天敵の名をつぶやく。
「年上に対する口の利き方からしてなってないな。」
小ばかにしたように晴明が咲也を見下す。
「なにが年上だっ!僕のほうがおまえなんかよりずーっと年上なんだぞっ!」
「はん、お前など私から見ればよちよち歩きの甘ったれのクソガキにすぎんな。もっと、己を知ることだ…。」
すうっと手が上がり、晴明の指先がまるで銃のように咲也に向けられていった…。
「な、なにをする気だっ!!」
自分に向けられた晴明の指先がぽうっと青白い光を点すのを見て、咲也が上ずった声を上げた。本気になった陰陽師がどれほど恐ろしいか前回のことで骨身に染みている彼である。つうっとその額から冷たい汗が一筋流れ落ちた。
「縛せ縛せ…オンキリキリ…」
半眼に閉じられた瞳が冷たく光る。紅い唇から静かに、だが確実に咲也を絡めとる呪が唱えられていく。
「うっ!!」
身を翻して逃げようとした咲也の足が床に張りつけられたように止まった。
「ううっ!クソっ!!」
歯を食いしばって渾身の力をこめても床に張り付いた足はびくともしない。
「晴明っ!お前人の癖に生意気だっ!!今すぐ僕を解放しろ!でないとこの屋敷中の妖しがお前に襲い掛かるぞっ!!」
うそじゃないぞ、本当だからなっと咲也は晴明をにらみつけながら言った。
晴明はにこりともせずに縛された咲也の元へと近づいた。せめてその綺麗な顔だけでもぶっ飛ばしてやろうとこぶしを振り上げる咲也。そのこぶしを片手でパシッと受け止めるともう一方の手首も捕まえて咲也の背にまとめて片手で押し付けた。
「なんだって?なにか言ったかな?」
冷笑を浮かべながら晴明が聞く。
「く、くそっ!!離せっていってるだろっ!!」
眉間にしわを寄せてねじ止められた腕の痛みにその顔をゆがませる咲也。
「え?聞こえないなあ。私の耳が遠いのかな、…それとも…この口が悪いのかな?」
そういうと晴明はあいたもう一方の手を上げるとわめき続ける咲也の唇をつねりあげた。
「ふぎっ…!!ひぃたぁいっ!!」
思わずあごが上がるほど力任せにねじり上げられて咲也は情けない声を上げた。
「おやおや。たいそうな年を経た妖しにしては情けない声をあげるものだな?ククッ…。」
楽しげに、だがこれ以上意地悪にはなれないほどの笑みを見せる晴明。
「ひゃめろっ…!」
あまりの痛さに思わず涙目になる咲也。
「この口で俺の博雅に触れたか…?」
「わるひぃかっ!!ひぃろましゃさんのくちひぃるは…あ、あまかぁったひょ!」
涙目の癖に晴明を挑発するように咲也は自慢げに言った。
「ほほう…」
晴明の目が凍てつくブリザードのように冷たく光った。背中を嫌な予感が駆け上がるのも敢えて無視して咲也もふふんっと生意気に笑って見せた。怖いもの知らずとはまさにこのことである。
「なら、そのような悪さをする口などないほうがいいな」
そういうと晴明は咲也の口から離した手を、その唇の上にかざした。
「邪悪なるものの手先よ。ここから姿を消すがよい…。滅破邪…。」
「…?」
何か痛い目に合わされると思って首をすくめた咲也。なのにどこも痛くもなんともない。そうっと首を伸ばして目を開けた。
(なんだ、嚇かしやがって…なんでもないじゃん)
そう思って一言また晴明に文句を言おうとした。
「…?」
声が出ない。
「ク…クククク…」
慌てふためく咲也を見て晴明が低く笑う。
「どうだ?声もだせぬであろう?おまけに口を開ける感覚さえもないだろう?」
「…!!!(なにをしたっ!!?)」
捕まえられた手を振り切ろうと咲也がもがく。晴明はその背をぐいっと押して部屋の中にかけられた鏡のほうへと咲也の顔を向けてやった。
「!!!!」
自分の顔を見て咲也の顔がこれ以上ないほどに真っ青になった。
「…!!!(ない!ない!僕の口がないっ!!)」
鏡に映る咲也の顔の中から唇だけが消えうせていた。
「口がなければ博雅に口付けることも私に悪態をたれることもできぬな。ははは。」
ぎりぎりと咲也の腕をねじりあげながら晴明が楽しげに言う。
「おまけに私になにをされようと叫ぶこともできぬというわけだ…。」
そう言うと晴明のもう一方の手が咲也のシャツの間にするりと滑り込んだ。
咲也のシャツの前を力任せに広げる。小さな貝のボタンがぴんぴんとはじけて部屋の隅まで飛んでいった。
「お前はいつも博雅を狙うろくでもないガキだ。この際、大人とはどういうものか教えておいてやろう…」
耳元でぞくっとするほど凄みのきいた艶のある声。咲也の背すじを寒気が這い上がる。必死で後ろに立つ晴明を見上げたが、氷のような目と視線が合ったとたんあわてて目をそらした。口がなくてかえってよかったかもしれない。口があれば思わず「ひっ」っと情けない悲鳴を上げていただろうから。
晴明の固い指先が咲也の胸の小さな蕾を捕らえる。彼は人差し指と親指の先で、ぎりっとそこをひねりつぶした。
「…!!」
思わず体を引っ込めて逃れようとする咲也。が、晴明はそんな様子にはかまわずさらにぐりぐりとそこを甚振った。痛みに眉をしかめ目をつぶる咲也の額にうっすらと汗が滲む。
「痛いか…?でも、それだけでないだろう?」
笑みを含んだ声がひびく。
そのとおりだった。痛みに顔をしかめているにもかかわらず咲也の雄はゆっくりとだが確実に反応を始めていた。
「痛みと快感は元をたどれば同じものだからな。」
蕾から指を離すと手を下へと滑らせ、衣服越しに咲也のそれをさわりとなで上げた。
「ほらな…。」
咲也のそれを指先でピンッ!と弾く。
「私が相手をしてやってもいいんだがそれだと博雅に悪いからな。」
そういうと片手を挙げて指を鳴らした。
部屋の隅にすっと人影が立つ。誰だと咲也がそちらに目をやったときそれが顔を上げた。
(河鹿!)
咲也が博雅をさらうのに使った魚の妖し。
(助かった!おい!こっちだっ!!)
口を利けぬ咲也が必死で河鹿のほうに身を捩る。
「さあ、河鹿よ、こっちへ来い。」
晴明が河鹿に向かって当然のように命を下すのを聞いて咲也の体がぴたっと止まった。
(ど…どういうことだ…)
首をねじって晴明のほうを見上げた。その咲也を見下ろして晴明はうっすらと微笑む。
「お前の使役する妖しなど私にとっては他愛もないものさ。」
二人の前に河鹿が立つ。
「さあ、河鹿。お前は咲也のことが大好きなのであろう?」
「あい。咲也さまのためとあらばなんなりと。」
河鹿は異様に離れた目をぎょろりと回転させて答えた。
「そうか、ならこれは咲也からの命だ。」
そういうと咲也の体をどかっと巨大な寝台に放り投げた。そして咲也が体勢を立て直せぬうちに印を結んで呪を唱えた。
咲也の体が大きく広げられ寝台に大の字に張り付けられた格好になった。
口のない顔で咲也が晴明を睨みつけた。
が、晴明はまったくそんなもの気になどしない。
「さあ、ちょうどよい具合にお前のそれも立ち上がったところだ。せいぜい楽しむがいい。」
そういった晴明の傍らで河鹿が来ていたものをゆっくりと体から落とした。ぬめぬめと光るうろこを持つ青光りのするからだが現れる。
「咲也さま…お慕い申しております…。」
ぱっくりと開いた口の端から糸を引く唾液をたらしながら河鹿が咲也に迫りくる。
(うわわわっ!!やめろっ!!寄るなあっ!!)
目を見開いてじたばたと暴れるが咲也の体はまるで鎖にでもつながれたかのようにびくともしない。
(や…やめっ…!!!)
ぬたりと河鹿の手のひらが咲也の滑らかな胸を這っていった。
「これに懲りたら二度と私の博雅に手を出さぬことだな。」
冷たい目で咲也たちを見下ろすと晴明は部屋のドアに手をかけた。
「ではな。」
にっと笑ってぱたりとドアを閉じた。
そしてしばらくそこで考え込んだ。
「ふむ…さて、どうするかな…俺としてはこのままのほっとくほうが楽しいんだがな。」
ドアに背中を持たせかけ腕組みをすると、人差し指でとんとんとあごをたたく。
「あんまりひどいことするとまた博雅の機嫌をそこねるか…」
ふうとため息をつくと面前に二本の指をそろえ、呪を唱えた。
とたんに部屋の中から大きな悲鳴が響き渡った。
「うわあああっ!!やめろっ!河鹿っ!!」
ドタン、ガシャン!!
地響きするような大音響。たぶん咲也が寝台から落ちたか河鹿をけり倒したか。晴明はくくくっと笑うと廊下にかけられた装飾過剰な鏡の中にその身をすうっと溶け込ませて消えた。
バタンっ!!
「せ、晴明〜〜〜!!てめえ、おぼえてろよっっ!!」
ドアを蹴破らんばかりの勢いで飛び出してきた咲也が廊下に向かって力いっぱいの大声で怒鳴った。
河鹿に撫で回されたためのぬめぬめを体中に滴らせ、首筋や体に赤いキスマークを山ほどつけられた咲也。怒りのあまり湯気の出そうな真っ赤な顔をして。
「咲也さま〜!」
部屋から逃げようとした咲也の首に背後から粘液でぬるついた腕ががっしりと絡みつく。
「ぐえっ!…や、やめろ…っ!!河鹿!」
ドアの枠に必死でつかまる咲也、が、その抵抗は風前の灯に近い。
「咲也さま、河鹿がかわいがってあげます、さあ、こちらへ…」
生臭い息が咲也の顔にかかる。
「や、やめ…!俺の命令が…聞けぬのかっ!」
指先が一本、二本とはずれてゆく。咲也は息も絶え絶えになりながら河鹿に命じた。
「は、離せっ!今すぐにだっ!!」
が、河鹿はにいいっと笑って言った。
「離しませぬ。何しろ咲也さまを愛でることをななによりも優先せよとのご命令だったではないですか。こんなうれしいご命令はございませぬ。河鹿はそれを忠実に実行いたします。だって、河鹿は誰よりも咲也さまのご命令にしたがいますもの…。」
ぬめった指先が咲也の頬をぞわりとなで上げ、長い舌先が咲也の耳朶を這う。
「それは…僕の命令じゃないっ!あいつだ!あのクソ陰陽師の仕業だっ!」
「いいええ。あれは間違いなく咲也さまでしたとも…うふふふ…」
「河鹿っ!おまえ、わざとだまされてるんだなっ!」
「まあ、なにを仰ってらっしゃるのかしら、咲也さま、きっとどこかお加減がお悪いのですわ。さあ、河鹿がゆっくりと看病いたしましょう。さあ。さあ…」
「や、やめろ…!!」
ドア枠の端にかかっていた最後の指がぱしっと外れ咲也がずるずると部屋の中へと引きずり込まれた。
「さあさあ…うふふふ…」
「よ…よせっ…!」
パタン…。
部屋のドアが静かに閉まった。
水しぶき(完)へ。
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